介護の経験はあるのに、志望動機を書こうとすると「経験を活かしたい」で止まってしまう。応募先ごとに何を変えればよいか迷うこともあるでしょう。担当してきた仕事、応募先を選ぶ理由、そこでどう働きたいかをつなぐと、経験が伝わる文章に整理できます。
志望動機は、経験・応募理由・入職後の取り組みで組み立てる
ハローワークの応募書類の資料では、応募先を選んだ理由、自分の経験や能力、仕事への意欲を盛り込む考え方が示されています。介護経験者の場合も、施設の理念を写すだけでなく、自分の経験とどこでつながるかを言葉にしましょう。
参考:ハローワークインターネットサービス「応募書類の作り方」(内容確認:2026年9月7日)
たとえば「丁寧なケアに共感しました」という表現を使うなら、何を見てそう感じたか、これまでどのようなことを大切にしてきたかを考えます。確認していない特徴を、応募先の事実として書かないことも大切です。
まずは、担当した仕事と工夫を書き出す
自分が担当した範囲を具体的にする
食事の支援、入浴の支援、記録、申し送りなど、実際に関わった仕事を書き出します。チームで行ったことは、チームの成果と自分の役割を分けましょう。指導や管理を担当していないのに、経験を広く見せる必要はありません。
日々の仕事で意識したことを探す
大きな実績がなくても、申し送りで伝える内容を整理したこと、分からない手順を確認してから進めたことなど、具体的な行動を振り返れます。「責任感があります」という言葉だけで終わらず、どう行動したかを添えると伝わりやすくなります。
| 整理する項目 | 書き出す内容の例 | 文章にする前の確認 |
|---|---|---|
| 担当業務 | 食事の支援、介護記録 | 自分が実際に担当した範囲か |
| 仕事での工夫 | 気づいたことを申し送り前に整理した | 具体的な場面を説明できるか |
| 応募先との接点 | 求人票の業務に経験を活かせる | 募集内容を確認できているか |
| 今後の取り組み | 新しい手順を学び、支援に関わりたい | 応募する役割と合っているか |
表と以下の例文は編集部が作成した架空の例です。実在する応募者の経歴や、採用された文章ではありません。
応募先を選ぶ理由と、経験との接点を探す
求人票や公式サイトを読み、施設の種類、仕事内容、求める役割を確認します。通勤や勤務時間が合うことも理由の一つですが、それに加えて「どの仕事に関わりたいか」を考えると、応募先を選ぶ理由が具体的になります。
「研修で学びたい」という希望がある場合も、教わることだけで終わらせず、学んだことを担当業務にどう活かしたいかまで書いてみましょう。未確認の研修を、充実していると断定して褒める必要はありません。
場面別の例文を、自分の事実に合わせて書き換える
施設の種類を変える場合
これまでは入居施設で、食事や入浴の支援と記録を担当してきました。今後は、地域で暮らす利用者さんの日中の生活を支える仕事に関わりたいと考え、通所介護の募集に応募しました。これまでの観察と情報共有の経験を活かしながら、送迎や活動の進め方については指導を受け、新しい職場の方法を覚えていきたいと考えています。
経験のある仕事と、これから教わる仕事を分けた例です。実際に担当していない業務は書かず、応募先の募集内容に合わせてください。
職員間の連携を大切に働きたい場合
前職では、利用者さんの様子を記録し、勤務を交代する職員へ伝えることを意識してきました。見学で、職員間で支援方法を確認する機会について説明を受け、自分もその中で仕事に取り組みたいと考えました。経験してきた記録と申し送りを活かし、分からないことは確認しながら、配属先のケアに関わりたいです。
この例の「見学で説明を受けた」という部分は、その事実がある場合だけ使います。施設を見学していない場合は、求人票などで確認した内容に置き換えましょう。
ブランクを経て復帰する場合
以前は施設で生活支援と介護記録を担当していました。仕事を離れていましたが、現在の生活に合う勤務時間を整理し、介護の仕事に戻りたいと考えています。募集されている時間帯での勤務を希望しており、これまでの経験を活かせる仕事だと考えて応募しました。職場での手順や使う機器を確認し、指導を受けながら担当業務を覚えたいと考えています。
復帰への意欲だけでなく、募集条件と今の希望が合うか確認していることを伝える例です。条件が未確認なら、応募先に問い合わせたうえで表現を整えます。
仕上げに、事実と話しやすさを確認する
応募書類同士に食い違いがないか
職歴、資格、担当業務を履歴書や職務経歴書と照らし合わせます。成果や人数を、印象を良くするために付け足さないようにしましょう。読み上げてみて、自分が普段使わない大げさな言い回しは整えます。
退職理由と、次に望む働き方を分けて考える
前職で困っていたことを隠すために、別の理由を作る必要はありません。志望動機では、次の職場で関わりたい仕事と、自分の経験を中心にします。転職が続いた理由を整理したい場合は、仕事が続かないときの見直し方も参考になります。
自分の経験をどう活かせるか迷う方は、介護に向いていないと感じたときの考え方から、仕事内容との相性を整理する方法もあります。
まとめ:例文より先に、自分の経験を材料にする
志望動機は、経験を立派に見せる文章ではありません。担当した仕事を振り返り、応募先を調べ、入職後にどう関わりたいかをつなぎます。書く内容に迷うときは、希望する仕事から一緒に整理するための相談もご利用ください。
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