介護が続かない・転職を繰り返す…次で止めるための3ステップ

執筆・編集:東海かいごキャリア編集部|監修:川端 陸渡(キャリアアドバイザー・介護福祉士) | 公開 2026/07/22

介護が続かない・転職を繰り返すときの対処法
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また辞めたくなっている。前の職場も、その前も、同じくらいの時期に同じことを感じた——。転職を繰り返していると、「続かないのは自分のせいだ」と思うようになります。この記事では、その繰り返しにパターンがあるのかどうかを確かめる方法と、次で止めるための具体的な手順をまとめます。

結論:繰り返しを止めるには、「辞めた理由」ではなく「入った理由」を並べてください

転職を繰り返す方の多くは、辞めた理由をよく覚えています。人間関係、業務量、給料。けれど、入るときに何を確認したかは、あまり覚えていません。

ここに繰り返しの原因があります。辞める理由は毎回違って見えても、選び方が同じなら、同じ条件の職場に入り続けます。

まずやってほしいのは、これまでの職場を紙に並べて、次の3列を埋めることです。

職場入ると決めた理由辞めた理由
1つ目例:家から近かった/すぐ採用された例:教えてもらえなかった
2つ目例:給料が少し高かった例:人手が足りず休憩が取れなかった
3つ目例:面接の人が優しかった例:指示が人によって違った

真ん中の列に「条件」ではなく「印象」や「すぐ決まったから」が並んでいたら、そこが繰り返しの入口です。

「続かない」の正体は、たいてい次の3つのどれかです

1. 毎回、同じ弱点のある職場を選んでいる

手順書がない、指導担当が決まっていない、欠員を補充しない。この3つが揃った職場は、誰が入っても同じ時期に同じことで苦しみます。選び方を変えないかぎり、職場を変えても再現します。

2. 施設形態が自分の特性と合っていない

同時進行が苦手な人が、常に複数対応を求められる環境にいる。人との距離が近いほうが力を発揮する人が、大人数のフロアにいる。「介護が合わない」のではなく「形態が合っていない」だけのことがあります。

3. 限界まで我慢してから動いている

心身が消耗した状態で辞め、すぐ次を決めなければと焦って、確認しないまま入る。この順番自体が、次の短期離職を用意してしまいます。

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「転職回数が多いと不利」はどこまで本当か

正直に書きます。回数が多いこと自体を気にする採用担当はいます。ただし、介護業界では次の点も同時に見られています。

  • 介護職員と訪問介護員を合わせた離職率は12.4%で、2年連続の低下。一方、従業員が不足していると答えた事業所は65.2%にのぼります。人材を求めている職場は多い状況です。
  • 資格と実務経験は、そのまま次の職場で使えます。年数が積み上がっていれば、回数だけで判断されるわけではありません。
  • 説明できるかどうかのほうが重視されます。「なぜ辞めたか」より「次に何を求めているか」を語れる人は、回数に関わらず評価されます。

出典:公益財団法人 介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査」(2025年7月28日公表)

次で止めるための3ステップ

ステップ1:譲れない条件を3つだけ決める

多いと選べなくなります。3つに絞ってください。例えば——

  • 手順書があり、指導担当が決まっている
  • 夜勤は月〇回まで/夜勤なし
  • 移乗介助にリフト等の福祉用具を使っている

厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」では、腰部に著しく負担がかかる移乗介助等について、リフト等の福祉用具を積極的に使用し、原則として人力による人の抱え上げは行わせないとされています。福祉用具の導入状況を条件にするのは、正当な基準です。

ステップ2:見学で現場を見せてもらう

応接室だけで決めない。働くフロアを見せてもらえるかどうかが、最初のふるいになります。説明が途切れた数分間の空気を見てください。

ステップ3:面接で前任者の退職理由を聞く

「前の方はどういう理由で退職されましたか」。この質問への答え方に、その職場の体質が出ます。個人の資質の話で終わる職場は、辞めた原因を職場側の課題として捉えていない可能性があります。

【採用する側から見た】短期離職を繰り返す人と、そこで止まる人の違い

介護現場と採用の両方を経験したキャリアアドバイザーの視点です。

止まる人は、条件を言語化しています

「人間関係が良いところがいいです」ではなく、「手順書があって、指導担当が固定されている職場がいいです」と言える。抽象的な希望は、抽象的な職場選びにつながります。

止まる人は、在職中に動いています

辞めてから探すと、生活のために早く決める必要が出て、確認する余裕がなくなります。収入が続いている状態は、それ自体が交渉力です。

止まる人は、面接で質問しています

質問しない人は、入ってから初めて知ることになります。面接は選ばれる場であると同時に、確かめる場です。質問して感じが悪くなる職場なら、そこで分かってよかったということです。

回数そのものより、直近の勤続が見られています

過去に短い在職が並んでいても、直近で年単位の勤続があれば、印象はかなり変わります。次の1社を長くすることが、履歴を立て直す最短の方法です。

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まとめ

  • 繰り返しを止めるには、「辞めた理由」ではなく「入ると決めた理由」を並べてください。そこに条件ではなく印象が並んでいたら、それが原因です。
  • 手順書がない・指導担当が決まっていない・欠員を補充しない、が揃った職場は誰が入っても同じ結果になります。
  • 「介護が合わない」のではなく「施設形態が合っていない」だけのこともあります。
  • 譲れない条件を3つに絞る/現場を見せてもらう/前任者の退職理由を聞く。この3ステップで選び方が変わります。
  • 回数そのものより、直近の勤続と、次に何を求めているかを語れるかが見られています。
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よくある質問

介護の転職を繰り返してしまいます。原因は自分にあるのでしょうか?
選び方に原因があることが少なくありません。これまでの職場を紙に並べ、「入ると決めた理由」と「辞めた理由」を書き出してみてください。入ると決めた理由の欄に、条件ではなく「家から近い」「すぐ採用された」「面接の人が優しかった」といった印象が並んでいる場合、同じ条件の職場を選び続けている可能性があります。辞める理由が毎回違って見えても、選び方が同じなら結果は再現します。
転職回数が多いと、介護でも不利になりますか?
回数自体を気にする採用担当はいます。ただし介護業界では、令和6年度の調査で従業員が不足していると答えた事業所が65.2%にのぼる一方、離職率は12.4%と2年連続で低下しており、人材を求めている職場は多い状況です。また、資格と実務経験はそのまま次の職場で使えます。回数そのものより、直近の勤続年数と、「なぜ辞めたか」ではなく「次に何を求めているか」を語れるかが見られています。
どんな職場だと、誰が入っても続かないのですか?
ケアの手順書がない、入職後の指導担当が決まっていない、欠員が出ても補充しない。この3つが揃った職場は、教わる内容が日によって変わり、負荷が特定の人に集中しやすいため、誰が入っても同じ時期に同じことで苦しみやすくなります。見学や面接でこの3点を確認することをおすすめします。
次の職場を選ぶとき、条件はいくつ決めればいいですか?
3つに絞ることをおすすめします。多いと比較できなくなります。例えば「手順書があり指導担当が決まっている」「夜勤は月〇回まで、または夜勤なし」「移乗介助にリフト等の福祉用具を使っている」といった形です。なお、厚生労働省の腰痛予防対策指針では、腰部に著しく負担がかかる移乗介助等について原則として人力による抱え上げは行わせないとされているため、福祉用具の導入状況を条件にするのは正当な基準です。
面接では何を質問すればいいですか?
「前の方はどういう理由で退職されましたか」という質問がおすすめです。答え方にその職場の体質が表れます。個人の資質の話で終わる職場は、辞めた原因を職場側の課題として捉えていない可能性があります。あわせて、手順書の有無、指導担当の決まり方、有給休暇の取得状況、そして働くフロアを見学させてもらえるかを確認してください。

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