「介護福祉士を取ったのに給料が安い」と感じている方、これから取るか迷っている方へ。公的統計では、介護福祉士の平均給与額は資格を持たない介護職員より高い水準にあります。ただし全国平均の額面であり、職場や働き方による差も大きい数字です。統計の見方と、「安い」と感じたときの確認手順を整理します。
公的統計で見る介護福祉士の給与相場
厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護職員のうち介護福祉士の資格を持つ人の平均給与額は月350,050円です(令和6年9月)。
この「平均給与額」は、基本給に毎月の手当と一時金(4〜9月支給額の6分の1)を加えた月換算の額で、税金や社会保険料を引く前の金額です。手取りではありません。また、処遇改善の加算を取得している事業所で、月給・常勤として働き続けている人を対象にした全国平均のため、地域・法人・サービスの種類・勤務形態によって実際の金額には差があります。
参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」(内容確認:2026年10月19日)
資格の有無でどう違うか
同じ調査では、介護職員の保有資格別の平均給与額も公表されています。定義は前述のとおり、基本給+手当+一時金の月換算(額面・全国平均)です。
| 保有資格 | 平均給与額(令和6年9月・月額) |
|---|---|
| 介護福祉士 | 350,050円 |
| 実務者研修 | 327,260円 |
| 介護職員初任者研修 | 324,830円 |
| 保有資格なし | 290,620円 |
参考:厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」(月給・常勤の介護職員、内容確認:2026年10月19日)
介護福祉士と保有資格なしの差は59,430円です。ただし、平均勤続年数は介護福祉士が10.4年、保有資格なしが5.8年と開きがあり、資格そのものの効果だけでなく経験年数の違いも含んだ差である点には注意してください。資格を取る順番や前提は、初任者研修の記事で整理しています。
同じ資格でも差が出る要素
平均給与額は全体をならした数字で、同じ介護福祉士でも次の要素で変わります。夜勤の回数(夜勤手当の分だけ月の総額が変わります)、役職の有無(リーダー・主任など)、働くサービスの種類(施設形態によって平均額に差があります)、そして法人ごとの給与体系です。「資格を取ったのに安い」と感じるときは、資格以外のどの要素が影響しているかを切り分けてみましょう。たとえば夜勤を減らした時期と重なっていないか、資格手当が支給される条件を満たしているかを確認するだけでも、原因の見当がつきます。夜勤との付き合い方は、夜勤の負担を整理する記事も参考になります。
「安い」と感じたときの確認手順
感覚だけで判断せず、順番に確認するのがおすすめです。第一に、全国平均ではなく自分が働く県の相場と比べること。統計の数字は全国をならした額面であり、生活費の水準も地域で違うため、まず比較の土台を揃えます。第二に、夜勤の回数や役職など、働き方の条件が近い求人と比べること。夜勤のない働き方と夜勤のある平均額を比べても、差の原因は切り分けられません。第三に、月額だけでなく一時金を含めた年間で見ることです。月額は控えめでも一時金で差が縮まる職場もあれば、逆の職場もあります。
東海3県で働いている方・検討中の方は、愛知県・岐阜県・静岡県の介護職の給与相場ページで、県ごとの水準を確認できます。
相場より条件を上げたいときの選択肢
確認の結果、今の条件が相場より低いと分かったら、取れる手は一つではありません。今の職場で夜勤や役職など働き方を見直す、評価や昇給の仕組みを確認する、相場と比べて職場を変える、といった選択肢を順に検討します。具体的な進め方は給料を上げる方法の記事で4つの軸に整理しています。また、ケアマネジャーなど別の職種を目指す道もあります。ケアマネの給料の記事で働き方の変化とあわせて確認してください。
まとめ:全国平均ではなく、県の相場と自分の条件で考える
公的統計では、介護福祉士の平均給与額は保有資格なしより高い水準にあります。ただしそれは全国平均の額面であり、夜勤・役職・施設形態・法人によって差が出ます。「介護福祉士は安い」と一括りに結論を出す前に、県の相場と条件の近い求人を基準に、自分の場合の立ち位置を確かめることから始めましょう。確認の結果によって、今の職場で働き方を見直すか、職場を変えるか、取るべき手が変わってきます。
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